公益社団法人大垣青年会議所は、20歳から40歳までの青年経済人で構成された、明るい豊かな社会の創造に向け、活発な活動をしている団体です。

理事長所信


suro-gann 第63代理事長 髙木健一


第64代理事長 
河合 刀記夫

はじめに

 戦後の荒廃から先達の弛まざる尽力により奇跡の経済復興を遂げた日本は、2010年ついにGDPで中国に抜かれ、以前のような国際的影響力を失い、人口減少と少子高齢化により成長への勢いを無くしている。そして、2011年3月11日に発生した東日本大震災の傷跡は未だに残ったままだ。また、日本を含め未だに国同士の摩擦は絶えず、確実に我々の生活に影響を及ぼしている。既に成長期の終焉を迎え、成熟期に達した感がある日本は、戦後に比べれば随分と裕福にはなった。しかし、将来への展望については不透明であり停滞感が漂っている。
 人々がその停滞感から一歩踏み出し日本が再び飛躍する為に、夢を持ち行動することが大切であり、我々の行動をこの西美濃地域のまちづくりを更なる発展のきっかけとしたい。
 私の故郷である西美濃は、周りを美しい山々に囲まれ、揖斐川・長良川・木曽川の3つの川によってつくられた濃尾平野が広がり、資源豊かな田園都市であり、人々はその恵みを享受し、文化・産業を発展させている。時にその自然は猛威を振るう事があっても、人々は互いに助け合いの輪を作り、共に乗り越えてきた。これからも障害に直面した時、我々は一瞬立ち止まるかもしれない。しかし、それを乗り越える為の原動力である夢を持てば能動的、主体的に行動し障害を乗り越えていけるであろう。
 我々がこの国に、そしてこの地域に出来ることは何であろうか。63年前、この地域の有志達も障害と苦境の中、自身に何ができるかを問い、明るい豊かな社会の実現を目指し立ち上がり、青年会議所を設立した。
 今、この西美濃に必要なのは、行動することである。我々はたとえ地方からの小さな一歩であったとしても、様々な問題解決に取り組み、人々を巻き込む運動を引き続き起こしていかなければならない。我々が多様な人との同志の和を広げ、互いを認めつつ成長し合い、未来を担う人財を創り、住民の誰もが地域の未来に夢を持つことのできる西美濃、日本の実現を目指す為に率先して行動しなければならない。

夢が溢れるまちを目指して

 現在、情報技術が進み、経済は更にグローバル化し国際的な競争が厳しくなる中、地域はどう生き残るかを自ら考えなければならない。私は、この愛すべき西美濃を、次代を担う人々へ明るく豊かで、将来に向けて夢が持てるまちとして引き継いでいけるように尽力したい。
 その為にはどんな西美濃のまちづくりを目指すべきだろうか。私が目指す西美濃のまちは「夢溢れるまち」である。それは、人の原動力は夢であると考えるからであり、それ無しには人々は未来のビジョンを描き、発展していくことはないと考えるからである。
 まず、1つ目に人の繋がりと思いやりが溢れるまちを目指すことである。人は人との繋がりの中から自身の存在価値を見出し、貢献によって喜びを感じる。人の為、地域の為に「役立ちたい」という互いの思いやりが共感に繋がり、やがて多くの住民が共通の夢の実現に向けてまちをより良い方向に導くことができるのである。2つ目に新しい産業や発想が育まれやすい文化があるまちであることである。住民が自由に夢を描き、それが形となり、地域の財産へと変わることで住民にとってのまちへの愛着と誇りを高めていくことができるのである。3つ目に次代を担う人財を育てていかなければならない。我々自身が西美濃にとって必要となる地域の財産となれる人、つまり人財となるべく修練すること、そして、西美濃の人々が夢の実現に向けて行動できる人財になるべく機会を与えることが必要である。
 私が尊敬する歴史上の人物の一人に上杉鷹山がいる。鷹山は米沢藩を誠実さと堅実を持って武士、農民、商人隔てなく共に協力し、経済の源となる特産品を開発すると共に、“興譲館”を創設し学問と道徳を教え、人財を育成することで見事に国を立て直し、人々の未来を繋いだ。
 鷹山が残したこんな言葉がある。
 “なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり”
鷹山はこの自身が残した言葉どおり、行動し続け、地域を再建するという夢を達成した人であった。

 我々、大垣青年会議所は西美濃の人々と真摯に向き合い、共に次代にすばらしい夢溢れるまちを引き継ぐ為に諦めることなく行動を起こし、明るい豊かな社会の実現を目指す使命がある。私はその使命を受け止め、青年会議所の仲間達、そして地域の人々と共に西美濃の発展に懸命に取り組む。

地域の輪を繋ぐ

 大垣青年会議所は2010年代運動指針として、地域内だけ でなく地域以外のことも広く考えることのできる公益的価値観をもった市民による田園都市構想の実現を目指し、「人と地域のコミュニティが溢れるまち」、「子供たちの歓声がこだまするまち」、「歴史・文化・産業が羽ばたくまち」の3つの運動の方向性からなる「西美濃協調グランドデザイン」を策定し、その運動指針に即して過去5年間様々な事業がなされ、6年目の節目を今年迎えるに至った。
 策定された折の指摘としてもあるように西美濃地域を取り巻く環境の問題点の一つとして、人と地域のコミュニティ形成の低下が挙げられる。日本の地方人口の推移は、都会への人口流出と少子化の影響で減少傾向にあり、一部を除く多くの地域ではその対策が急務となっており、西美濃においてもその例外ではない。
 地域社会を構成するのは人である以上、その減少は地域の力自体を奪いかねない。今こそ、西美濃のコミュニティネットワークをより強化し、共に力を結集させ、各々の魅力、地域への愛着や誇りと責任を引き出し、そして将来に夢を持てるような地域となることで、人口の流出を抑え、更には移住者すら増やし、未来への展望へと繋げたい。
2013年度から続く「まちづくりコンテスト」では、昨年も600を超えるまちづくりのアイディアが集まり、地域の人々と行政がアイディアから問題を認識、共有することで官民協働のまちづくりの呼び水となっている。今年度は引き続き西美濃の人々のアイディアを引出し、西美濃ブランドの創造及び発信による産業・文化が羽ばたくまちづくりの推進に寄与する。

 かつて西美濃は、様々な人々の交流から産業・文化を発展させてきた。そして、西美濃の先達はこの地域の優位性を活かし、様々な事業を起こし、飛躍を遂げ、現代の経済の柱となってきた。しかし、経済が1つの成熟期を迎えた日本において、特に中小企業については年々その数を減らし、また、海外に生産の拠点を移す企業も多い。地域に新たな産業を生み出すことは、この地域が絶えず経済成長を遂げ雇用の機会を与えることとなる。この地域には起業する力が潜在的に備わっている。現在世界的な大企業の多くも、元は小さな事務所や町工場などから起業・創業している。西美濃が更なる経済的な成長発展をするためには、夢をもった実業家たちが活躍できる環境や文化を根付かせるようにするべきではないだろうか。この地域の起業意欲を呼び覚まし、新たな産業が羽ばたくきっかけとなる西美濃ブランドの創出に繋げる。そして、我々が掲げる「西美濃協調グランドデザイン」実現への取り組みの検証と住民が主役となる真の民主主義社会確立へ向けての指針を示すことで未来に夢を繋ぐ。

協働による西美濃地域の情報発信の継続

 住民や行政は互いに2市9町の事をどれくらい認識し、互いの魅力を高め合うような取組みがなされているであろうか。そして、より魅力的な地域へと変わるよう住民が地域社会への関与を能動的にしているであろうか。
 昨年、西美濃全体のコミュニティネットワークの構築を目指し「まちづくりコンテスト」のアイディアから生まれた、西美濃地域を自転車で巡る「ツール・ド・西美濃」が行われた。この事業は、我々が主催団体の一員として、2市9町の行政そして、ボランティアと参加者の住民と共に創り上げ成功に導いた。これはまさに西美濃の心がひとつとなる瞬間(とき)を形とした事業であり、地域の活性化とグランドデザインを討議し、同じ目的に向かって進んでいく礎を築くべく一歩を踏み出すことができた。今年度、この事業を発展させるべく、実行委員会への支援・協力を継続し、この大会を更に価値あるものへしていきたい。また、住民が積極的な社会参画への取り組みを醸成すべく西美濃の多彩な情報の発信を行う。

組織同士の交流を深める

 各つどい協議会とは、西美濃のまちづくりの同志であり、長きに渡る連携・協力を通じて深い友情で結ばれている。我々は長い年月を通じて協力・連携しながら共に地域社会に貢献する為、まちづくりに励んできた。この掛替えのないネットワークは我々、そして西美濃にとって大きな財産である。これからも共同で行う事業等を通じ、未来へとこの地域にとっての財産を引き継ぎ、積極的な連携を図ることで、互いの学び、気づきの機会を得ると共に、同じ目的を達成することで理想のまちづくりへの夢を共有する。
 更に、公益社団法人日本青年会議所及び他LOMとの連携と協力においては、今年度の我々の担いをすべての会員が意識し、助け合い、全うすると共に、対外関係者と協力し、互いを尊重し合いながら成長に結びつける。
 第42回JC青年の船「とうかい号」の事業においては、今年度も引き続いて、西美濃の未来を担う青年を送り出させていただき、地域の人財育成に貢献する。また、花蓮JCとの交流を通じての国境を越えた友情を深め、相互理解の場とし、紛争のない平和な世界実現への夢、そして互いの国の繁栄を願う場とする。 

 人はたとえ文化、生い立ちが違っても、認め合い、共感し、同じ目的を共有することで団結が生まれ大業をなし得ることができる。それぞれの多様性を尊重し、受け入れ、活かすことで共に夢を実現できるよう今後も積極的に関係を深めていきたい。

組織の輪を拡げ、良き伝統と熱き思いで未来へ繋げる

 第64期を迎える大垣青年会議所は創立から地域の財産となる多くの人間、人財を西美濃に送り出し、その人財はこの地域を牽引するリーダーとして活躍をされている。私はそんな先達の大きな背中に憧れてこの大垣青年会議所の門を叩いた。その先達もかつては伝統ある青年会議所で各々の理想の背中を追いかけ切磋琢磨したことであろう。

設立趣意書の中に次のような言葉がある。

 

“この時に当たり我々青年は共に手をたずさえてこの障害を打破りこの苦境を乗り越えて前進し撓まざる決意と逞しき情熱を以て問題に取り組み自らの知性と徳性の練磨に努め地方経済の発展に奉仕して日本経済再建に寄与すると共に、更に進んで国境を越えた限りない友情に結ばれ度いと思うものであります。”

 

 青年会議所は多くを学ぶ事が出来る唯一無二の学び舎であり、我々は共にその良き伝統を受け継ぎ、発展させ次代へと繋ぐことでより多くの人財を世に送り出す使命がある。我々は組織において英知や伝統、そしてその精神を引き継ぐ場が必要である。
 また、この組織の魅力を伝え、多くの志を同じうする者に呼びかけ、共にまちづくりを行う仲間をつくることでその伝統と熱き思いは受け継ぐことができる。しかしながら、現在、会員の減少傾向は止まらず、将来、大垣青年会議所の存続が危ぶまれるような状況である。この状況に歯止めをかけるべく手を打たなければならない。
 まずは地域に大垣青年会議所について更なる周知を図り魅力を伝えることで多くの人々に関心をもって頂くと共に、全会員が一丸となりこの問題解決への取り組みをしていきたい。

 

徳と夢ある人財を築く

 当然のことではあるが、国家であろうと、まちであろうと、組織であろうと一人ひとりの人間の多様性によって成り立っている。これから国際的な競争の激化が更に進むことが予想される中、国力を向上させる為にも次代を担う人財を育成しなければならない。 
 東北における大震災の中でも、理性を失わず、規律を守り、他人への思いやりを忘れなかった日本人は海外のメディアでも取り上げられ、世界中から尊敬されることとなった。
 私は、この日本人の和、思いやりの精神の火を、これからを担う生命達、次代我々青年の心に受け継ぎ灯し繋げていきたい。徳溢れる西美濃の未来を牽引する人財を育成し、我々の夢である明るい豊かな社会の実現に近づく原動力とする。

最後に

 大垣青年会議所は、西美濃地域が明るい豊かな社会の実現という夢のため活動を行ってきた。その尊い活動は今も我々が引き継ぎ、諦めることなくその夢を追い続けていくことであろう。我々の会員として許された活動は限られている。その許された尊い時間の中、共に修練を積み、地域に奉仕し、友情を育み、そして、全力で活動に取り組むことは、掛替えのない経験と人との絆をもたらし、我々にとって人生の大きな財産となるのであろう。
 我々は人々がこの日本、西美濃の未来に明るく豊かな社会が見えるように導く使命がある。そして、この地域に対して夢を持つことで人々は能動的になり、それが地域の活性と発展に繋がると信じている。
 まずは共に夢を描くことから始めよう。明るい豊かな社会、まちの実現の為、考え、行動しよう。そして、この地域の繁栄と未来を築き上げよう。

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