理事長所信

2020年度スローガン

第69期理事長 藤塚茂之

第69期理事長 藤塚 茂之

2020年度(第69期)基本方針

  • 1.修練を積むことによる会員の資質向上
  • 2.青年の共感を得ることによる会員の拡大
  • 3.明るい未来のために共に手を携え社会に尽くす
  • 4.伝統とネットワークを活かした青年会議所運動
  • 5.一人ひとりの成長を通じた組織力の向上
  • はじめに

    平成の時代が終わり、新たに令和の時代が幕を開けました。令和という元号には、平和が永遠に続いて欲しい、そのような思いが込められていると感じます。平成の時代は、日本において戦争がなかった時代です。昭和の時代に、第二次世界大戦で敗戦を経験し、国民全体が平和であることの尊さを感じ、平和への願いがより一層高まった結果ではないでしょうか。令和の時代も引き続き平和でみんなが幸せだと感じる時代にしていくためには、過去の歴史や思いをしっかり理解し、「今と未来」を繋げていかなければなりません。

    大垣青年会議所が設立されて69年目を迎えます。設立当初の時代背景に思いをはせると、GHQによる占領下のもと、敗戦後の荒廃したまちで経済的にも貧しかったであろう生活、その中でもサンフランシスコ平和条約の締結による日本独立が間近にせまり、我が日本の未来は日本人によってつくるという強い意志を持った同志たちで設立されたと考えます。私たちは、その先人たちの思いと68年間受け継がれてきた歴史を忘れてはいけません。そして、そんな思いと歴史の上で、地域のご助力を頂きながら今の大垣青年会議所が存在しています。

    一方で、今を生きる私たち会員は、新たな時代に向けて「今と未来」を繋げていく責務もあります。私たちが生きてきた時代も東日本大震災をはじめ多くの災害に見舞われました。これからの時代も、何が起こるかわかりません。また、明るい未来に向けて私たちに求められる地域のニーズも時代と共に変化していくでしょう。私たちはそのニーズを的確に捉え、現状に満足することなく、より良い社会となるために尽くしていく集団でなければなりません。そのためには、今一度青年会議所の根幹に立ち返り、自らを律し成長を求め、情熱溢れる同志が結集し、地域を語るに恥ずかしくない団体であり続けることが必要不可欠です。先駆けいく組織として、変革の能動者としての自覚と責任をもち、誰もが幸せだと感じることができる「明るい豊かな社会の実現」を目指して、共に取り組んでいきましょう。

    青年会議所はいつの時代も自らの成長を求める場所である

    青年会議所には「修練」「奉仕」「友情」という三信条があります。この3つの意味や繋がりを考えたことはあるでしょうか。「地域に貢献できる=奉仕」「友人がたくさんできる=友情」という言葉をよく耳にしますが、これは単なる個人の財産になるだけではないでしょうか。三信条として掲げられている本当の意味を考えれば、修練なくして奉仕も友情も存在しません。修練の必要がない奉仕や友情であれば、それはもはや青年会議所として存在する意味が破壊されてしまうと言っても過言ではありません。

    近年、修練を積むことを避け、奉仕を通じて気の合う仲間とだけ過ごす会員も多いのではないでしょうか。かつては私もそうだったかもしれません。しかしながら、自らが関わるこの青年会議所がただの友人づくり、奉仕団体であって良いのでしょうか。入会3年未満の会員が約半数になる現状、世代交代が進んでいる現実から目を背けてはいけません。企業の経営を担うリーダーとして、地域の未来を担うリーダーとして恥ずかしくない姿勢を今一度取り戻し、それぞれの企業や地域を語るに相応しい人財となるために、一人ひとりが原点に立ち返り、自らを律し、修練を積むことから逃げずに挑みましょう。

    自らを厳しい環境におくことで修練を積む。修練を積んだ者たちの情熱を結集し、地域や人々のために尽くす。その結果、同じ志で結ばれた熱い友情が育まれ、より良い社会を目指した更なる運動に繋がっていくのです。

    青年たちの共感を呼ぶことで会員の拡大につなげる

    青年たちの共感を呼ぶ。私たちは、「明るい豊かな社会の実現」を目指して運動を展開していますが、社会開発を通じて地域からより多くの賛同を得た上で、大きな渦となって行政や政治を動かすことができれば、それは確実に運動となるのです。そのためには、1人でも多くの共感頂ける同志を増やしていかなければなりません。

    今の時代は、利益を生んでいても人手不足や後継者不足により、事業の継続を断念せざるを得ない企業が数多くあります。もしも、同じように大垣青年会議所においても、新しく入会する仲間が全く入ってこなかった場合、私たちの志す運動は継続できるでしょうか。この先、社会開発を通じた社会貢献に継続的かつ積極的に取り組んでいくためには、会員の拡大は必須事項であり、大垣青年会議所存続の根幹となるのです。そこで、これまで以上に20代や女性もターゲットにしながら拡大に取り組みます。若い力や女性の活躍は新たな価値観や発想を生み、私たちの運動に変化をもたらすかもしれません。

    しかしながら、ただ会員拡大をすれば良いというものでもありません。名ばかりの会員が増えてしまえば、それは組織の衰退を招きます。社会開発、そして平和の実現という崇高な目的に共感し、地域のリーダーとして社会貢献の精神を育む同志を増やすために、そして、自己成長の機会を提供してくれる大垣青年会議所をこれまで以上に魅力ある団体とするために、全力で会員拡大に取り組みます。

    明るい未来のために

    いよいよ2020年代に突入し、地域の未来のために、日本の未来のために、私たちは何をしていくべきなのでしょうか。

    大垣青年会議所では、西美濃全域が同じ目的に向かって歩んでいく礎を築くために、2010年代運動指針「『地球的価値』の田園都市構想 ~西美濃の心がひとつになる瞬間へ~」を掲げ、高い志を官民一体で実現できるまちを目指し、そのためのひとづくり、ネットワークづくり、まちづくりを推進してきました。その中で生まれた「ツール・ド・西美濃」は、西美濃地域の広域連携を実現し、地域の魅力を広く発信する最たる事業となっています。本年度は各市町の皆さまのご協力のおかげで第7回目を迎えることとなります。これまで以上に本当の意味での地域連携を確固たるものとし、今後も更なる進化を遂げていく必要があります。そのためには、「ツール・ド・西美濃」という形にとらわれることなく、新たな形も模索していく必要性があるのではないでしょうか。会員一人ひとりがこの事業の本質を理解し、行政との真の連携を更に確固たるものにすると共に、何より地域住民の更なる意識改革が大切です。今後も私たちは、行政と連携しながら、地域住民が主導となり、地域社会に愛され、光り輝く西美濃の財産を築き上げていくために全力で取り組んでまいります。

    2020年代、今後も人口減少、企業の人手不足、高齢化による社会保障費の増大など問題は山積しています。これらの問題の根幹は、すべて少子化であると言えます。この少子化の問題に官民一体となって地域の声を聞き、今まで以上に本気で取り組んでいかなければ、明るい未来は存在しません。このままでは、地域を担う若者は減少し、地域社会の基盤は維持できなくなり、地方の衰退どころか国力の低下に繋がってしまいます。これは、身近なところでは、私たちの企業も存在できなくなる、生活ができなくなるという目の前に差し迫った危機でもあります。日本の人口を維持していくためには合計特殊出生率2.07が必要であると言われています。女性の社会進出が進み、共働き世帯が増える中であっても、消費税増税や社会保障費の負担増など所得は相対的に減少する一方、新しい学習指導要領が改正され今後実施される中、子どもにかかる教育費は益々増える可能性も懸念されます。そのような中、未来に向けて子どもが増えると共に人口減少に歯止めをかけ、持続可能な社会を築いていくためには何が必要なのか。私たちはこの社会課題を解決していくために、子育て世代の声を具体的に聞き、より活性化された社会、明るい未来のために社会実験を通じて議論し行動していく必要があります。

    一方で、人口減少が見込まれる中、人工知能やロボット、モノのインターネット化など第4次産業革命と言われる新しい技術革新が急速に発展しています。これらの技術を産業や社会生活に取り入れ、年齢や性別、地域、言語といった違いを越えて快適に生活ができる「超スマート社会」が実現しつつあります。私たちだけでなく未来を歩む子どもたちは、幼いころからこれらの技術に触れ、理解し、対応しながら生活していくことになるでしょう。しかしながら、これらの技術を生み出し「超スマート社会」を実現していくのは人工知能でもロボットでもありません。紛れもなく、私たち人間なのです。この技術革新は私たちの生活を快適にし、周りの人々と触れ合いがなくとも生活できるようになってしまうかもしれません。技術革新は人手不足を解消し、人々の生活を快適にするのは間違いありませんが、果たしてそれだけで良いのでしょうか。これからの未来を担う子どもたちは、社会を変化させる技術革新を体感しながらも、人々と触れ合うことで自ら考え、判断し、行動していく力を養うための道徳教育と、日本人として日本の美徳を育むことがより一層大切になります。そのためには、私たち大人がその姿勢を示し、次世代を担う子どもたちがその姿を見て感じることが大切ではないでしょうか。子どもたちは地域の宝です。地域の人々と触れ合い、地域に愛着を持ち、日本に誇りを持てる子どもたちを社会全体で育むことで、今よりもっと良い社会を築いていきます。

    伝統とネットワークを活かした大垣青年会議所として

    青年会議所の魅力の一つ、それは全国各地や世界中に同じ志を持った仲間が存在し、世界規模で活動ができるということではないでしょうか。本年度、大垣青年会議所は、「第61回岐阜ブロック大会2020」を主管します。県内各地17LOM約600名の会員を精一杯のおもてなしの心でお迎えし、西美濃地域の魅力に存分に触れて頂きたいと考えています。そして、県内各地会員会議所の皆様と共に手を携え、結束力を再確認し、岐阜の魅力として全国に発信していきます。

    また、大垣青年会議所には、西美濃地域の青年諸団体との連携や昨年50周年を迎えた花蓮JCとの姉妹締結を通じた国際交流など幅広いネットワークがあります。このネットワークは、先輩方が築き繋げて頂いた伝統のおかげであります。私たちは、この伝統とネットワークに感謝をし、明るい未来とより良い社会のために組織力を更に強化すると共に、西美濃地域の発展だけではなく、世界平和のために取り組んでいかなければなりません。大垣青年会議所の定款には「国際理解と親善を助長して、日本及び世界の繁栄と平和に寄与する」という目的があります。この崇高な目的を達成するためには、「JC」という繋がりを活かして地域や世界の同志と交流し、次世代の社会開発のために一緒になって、かつ継続的に邁進していく必要があります。そうすることで、互いの地域のまちづくりや青年会議所活動の刺激となり、そこに新たな発想と活力が生まれます。

    青年会議所には、私たちにとって非常に多くの成長と発展の機会があります。その機会と、先輩方が残してくれた伝統であるこのネットワークを最大限に活かし、より良い社会の実現と、互いの国益へと繋げてまいります。

    成長する組織であり続けるために

    大垣青年会議所は設立から69年目を迎え、絶えず「明るい豊かな社会の実現」を目指して活動や運動を行っています。地域の発展のために、国際平和のために絶えず活動していくためには、現状に満足することなく、常に私たちの組織をより強いものにしていかなければなりません。そのためには、会員の資質向上を図り、個々の力量を上げ、社会に尽くすリーダー集団となることが必要です。入会期の若い会員が増えていく中、本来の青年会議所の目的や意義を理解しないままに、ただ活動に参加し、何かやったような気になってしまっている会員がいることは否めません。そのような活動が続けば青年会議所の持つ魅力は失われてしまいますし、40歳を迎えて卒業した後も、社会開発に基づいた社会貢献の精神を受け継いでいくこともできません。また、そのような本来の目的や意義を理解しない者たちが、どれだけ議論を重ね事業を構築したとしても、それは地域の人々の共感を得ることは難しいでしょう。世代交代が進む中、今こそ一人ひとりが青年会議所の目的や意義を改めて理解すると共に、より良い社会に尽くす自覚と責任を育み、青年会議所のルールに基づき品格ある青年として恥ずかしくない行動ができるリーダーにならなければいけません。そして、受け継がれた伝統と精神を大切にしながらも、新しい発想を持って時代を切り拓く力を養わなければなりません。会員一人ひとりの力が最大限に発揮され、社会に尽くすリーダー集団となったとき、大垣青年会議所は地域の共感を呼び、大きな運動へと繋げていくことができるのです。

    おわりに

    「微粒結集」・・・私が社会人として歩み出した株式会社間組(現 株式会社安藤・間)の3代目社長である神戸満之助氏の言葉であります。1人の力だけでは成し得ないことも、全員の力を結集したとき、限りない大きな成果を上げることができるという意味です。今でもこの言葉は、壮大なプロジェクトに挑む技術者たちのDNAとして受け継がれています。

    人間は1人で生きていくことはできません。家族や仲間に支えられ、地域に支えられ、日本という国家に守られ生活しています。今こうして青年会議所活動ができることも、そのような周囲の支え、環境があってこそ自分という存在があります。そのことに対する感謝の気持ちを絶対に忘れてはいけません。私たちはこの大垣青年会議所に集う同じ志を持った仲間です。私たち青年が熱い議論を交わし、共に汗を流し、全員の力を結集し、子どもたちがこの社会に明るい未来を描くことのできる、光り輝く素晴らしい西美濃地域となるために、自己を磨き、修練を重ね、そして地域のリーダーとしての自覚と責任をもって、「明るい豊かな社会の実現」という壮大なプロジェクトのために全力で尽くしていきましょう。

公益社団法人大垣青年会議所

〒503-0856
岐阜県大垣市新田町1-2

TEL:0584-47-8275

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